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2016年度半導体EMCセミナー 開催レポート 


  • 【日時】2017年 1月27日 9 :45~ 16 :45
  • 【場所】電子情報技術産業協会(JEITA) 大手センタービル (東京・大手町)
  • 【サブタイトル】
    「民生機器(LED照明)・医療機器・車載電子機器」におけるEMC
  • 【聴講者】47名

概要
第2回半導体EMCセミナーでは、ノイズ対策が重要な「民生機器」・「医療」・「車載」の各分野に携わっておられる方々に特別講演をいただきました。『LED照明からのEMC』(沖エンジニアリング株式会社 EMCセンター 多田 雅則 様)からは、LED照明にまつわる評価規格の説明いただくとともに、規格が制定されることによって、業界全体として、エミッションが低減されてきたことが紹介されました。『医療機器におけるEMC』では、医療機器考慮されているEMCについて講演いただきました。『車載電子機器のEMC対応設計について』では、長いハーネスが基板に接続されていることが特徴である車載電子機器において重要となる、アンテナとなるハーネスにノイズを重畳させない基板設計手法について講演いただきました。

1 .半導体EMC 関連規格の解説
(JEITA/半導体 EMC SC 規格審議 WG リーダ 石川靖之 [ 株 デンソー ])

半導体EMC 国際規格は、エミッション・イミュニティ測定法、 IC の EMC モデリング法、バス・トランシーバ測定法があります。電子機器の EMC 性能向上の為には、半導体メーカ、ユーザ双方が各規格内容、活用シーンを理解することが重要であり、各規格の概要、最新審議状況に加え、半導体EMC- SC の活動の一環として行っている実証実験の結果を交えて解説いたしました。

2.民生・車載機器のEMC試験が半導体デバイスに与える影響
(JEITA/半導体 EMC SC 石田武志 (株 ノイズ研究所))

電子機器(システム)は、装置-プリント基板-部品(デバイス)で構成され、
IC/LSIに要求される EMC 性能は、目的のシステムによって質も量も大きく異なります。そのため、デバイス設計・評価時にはシステムレベルの EMC 要求を理解することが重要です。ご講演の中で、システムレベル規格の体系及びノイズの特性や要求レベルなどを概説いたしました。

3.【招待講演】LED照明からのEMC
(沖エンジニアリング株式会社 EMCセンター 多田 雅則 様)

低消費電力、高寿命が謳われ、急速にフィラメントを使った従来の電球からの置き換えが進んでいるLED電球ですが、その構造上、従来の電球にはなかった電源回路が搭載されており、照明機器の開発において、EMC問題が重要になってきています。LED照明が出始めたときはエミッションが高いもの、イミュニティに弱いものも一部見られましたが、近年業界として改善が進んでいることを実際の評価事例を交えて紹介いただきました。

4.【招待講演】医療機器におけるEMC(電磁環境両立性)
(一般財団法人神戸市地域医療振興財団 西神戸医療センター 臨床工学室
藤井 清孝 様)

医療機器が求められているEMC規制について解説をいただきました。病院内にある機器には、ペースメーカ、MRI、CTから医療用通信システムまで、一口に医療機器といっても多岐にあたっており、信頼性が求められる分野だけあって、業界あげてEMC問題に取り組まれていることを紹介いただきました。一つ一つの機器の安全性は向上しているものの、様々な医療機器がつながり、システム化していく中で、干渉問題などが懸念されており、システムとしての安全性の向上が今後の課題であることを紹介いただきました。

5.【招待講演】車載電子機器のEMC対応設計について
(株式会社クオルテック EMC技術研究室  前野 剛 様)

電子化が進む自動車において、開発におけるEMC問題の重要性を解説いただきました。自動車内に搭載されるECUを題材に、ノーマルモードノイズ、コモンモードノイズ対策を豊富な実験・シミュレーションの結果を交えて、論理的かつ実践的にEMCの発生メカニズム、設計技術についてご講演をいただきました。