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2018年度半導体EMCセミナー 開催レポート 


【日時】2019年 1月25日 9 :30~ 17:00
【場所】電子情報技術産業協会(JEITA) 大手センタービル (東京・大手町)
【サブタイトル】~最新アプリケーションにおける EMC の問題点と評価~
【聴講者】29名

概要

第4回目の半導体EMCセミナーでは、3件の特別講演をいただきました。1件目は自動運転時代を見据え、従来の評価手法に比べ、より高いロバスト性を有するリバブレーションチャンバーを日本ETSL/古川様により紹介頂きました。2件目は日本サーキット/酒井社長から、動力系のアナログ回路とディジタル回路が安定したグラウンドが取れないドローンのEMCの問題点と対策について解説頂きました。3件目はスマホを用いての手軽なEMC測定とその可視化について金沢大学/尾崎准教授より御紹介頂き、租計測技術の重要性を再認識いただきました。午前中には、当サブコミティのメンバー(デンソー/石川委員、ノイズ研究所/石田委員)から、半導体のEMC規格並びにセットレベルのEMC規格についての解説を行うと共に、我々のEMC-SCの活動内容について本SC主査である東芝の冨島委員から紹介いたしました。初めての企画としまして、座談会を設け、半導体とシステムの融合の必要性が高まっていることを会場の皆様と共有頂きました。

1 .半導体EMC 関連規格の解説
(JEITA/半導体 EMC SC 規格審議 WG リーダ 石川靖之 [ 株 デンソー ])

IEC(Interational Electrotechnical Commission)で、規格化が進められている半導体EMC 国際規格について解説いたしました。半導体のEMC規格審議されているものには、半導体EMCの測定方法(ミッション/イミュニティ)、 モデリング法、バス・トランシーバ測定法があり、それらの概要を半導体EMC- SC の活動の一環として行っている実証実験の結果を交えて解説いたしました。

2.車載・民生のシステムレベル EMC 試験と半導体デバイスレベル試験
(JEITA/半導体 EMC SC石田武志 (株 ノイズ研究所))

TC77(機器のEMC)エキスパートでもある石田委員にシステムレベルのEMC規格体系及びノイズの特性や要求レベルなどを概説いただきました。EMC規格には、最終製品である電子機器(システム)に対するものあれば、特に車載機器においては、ユニットレベルに対するものも存在します。IC/LSIに要求される EMC 性能は、搭載されるユニット、システムによって異なるはずです。IC/LSIのノイズ性能を評価する際には、システム、ユニットレベルのEMC 要求を理解することが重要です。

3.【招待講演】自動運転時代の自動車ロバスト設計を支えるEMC 評価
(日本イーティーエス・リンドグレン株式会社ソリューション開発部門
テクニカルディレクター 島田一夫 様、(代講)古川様)

自動運転技術には、V2V 、 V2I 、 V2N などの各通信システム、次世代通信規格 5G が用いられ、電磁障害環境がより複雑になり、自動車の誤作動が増えることが指摘され ています 。そのため、実走行条件に近い環境でイミュニティ試験が必要です。自動車の実走行条件に近いイミュニティ試験が出来るリバーブレーションチャンバについて解説 いただきました 。

4.【招待講演】ドローンにおけるEMC 対策とは
     (株式会社日本サーキット 代表取締役 酒井 哲弘様)

ドローンのシステム構成を解説いただき、ドローンの開発に必要な EMC 対策について講演いただきました。ドローンはセンサ類などノイズにセンシティブなデバイスと大電流制御回路が大地とのアースが取れない小さな筐体に共存しなくてはならず、さらには、 複数電波の同時利用など、その開発においては、 EMC 対策は不可欠な要素となっております。

5.【招待講演】スマホを用いたその場の低周波電磁界計測
      (金沢大学理工研究域電子情報通信学系 准教授 尾崎光紀 様)

身近な低周波(100 kHz 以下)電磁界分布を気軽に測定できるアプリとして、 スマートフォン を用いた電磁界計測システムについてご講演いただきました。目に見えない電磁界の可視化は、現場でのノイズ対策経験の少ないエンジニアにもベテランと同様に素早く問題解決に導くことができることを再認識させていただきました。

6.【座談会 】EMCに関する課題と システム・ 半導体への期待

EMC設計の難易度が増える中で、開発を効率化し、手戻りを防ぐにはどうすればよいのか?招待講演から課題を抽出し、課題解決には何が必要か、何をすべきかを、セミナー参加者の声もいただきながら、約1時間にわたり意見交換を行いました。