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2023年度半導体EMCセミナー開催レポート


2023年度半導体EMCセミナー 開催レポート
【日時】2024 年2 月2 日(金) 13:30~16:50
【場所】ZXY(ジザイ)汐留新橋(東京・新橋)

~ 1GHz 超の評価課題と表面スキャン技術の応用 ~
新型コロナウィルス感染症が、5類感染症移行後初となる2023年度の半導体EMCセミナーは、2019年度(2020年2月開催)以来、4年ぶりとなる対面での開催となりました。
招待講演では、アメリカAPI 社のCEO/Jin Min 氏をお招きし、表面スキャン技術の応用(近傍界測定結果から遠方界EMI 測定結果のシミュレーション並びに外来サージに対する回路内弱点の特定等)について装置のデモを交えてご講演頂きました。実際に、近傍界測定器を会場にお持ちいただき、休憩時間には聴講者へデモンストレーションを行いました。対面式セミナーのメリットを活かして、理解を深めていただきました。
JEITA半導体EMCサブコミッティからは、2つ報告がありました。第一に、半導体EMCのIEC規格の審議状況に関してアップデートを行いました。第二に、近年の回路動作の高速化を受けて、1GHz超のEMC評価を行う際の技術課題とその解決に向けた半導体EMCサブコミッティの取り組みについて報告しました。
また、セミナー終了後には、情報交換会が催され、セミナー中は聞けなかった質問や種々のEMC に関する話題で講演者、聴講者、半導体EMCサブコミッティメンバ間で盛り上がりを見せ、対面開催ならではの交流が行われました。

 

1 .半導体EMC-SC 活動と半導体EMC 規格(測定法とモデリング)について
JEITA/半導体EMC-SC 主査
冨島 敦史 [東芝デバイス&ストレージ(株)]
4 つのワークグループにて活動を行っている、半導体EMC サブコミティの活動を紹介するとともに、IEC にて審議されている半導体EMC 国際規格の動向を解説します。

2.【招待講演】Possibilities and applications of near-field measurements
~Scan technologies to understand EMC behavior of electronics~
近傍界測定の可能性と応用
~電子機器の EMC 動作を理解するためのスキャンテクノロジ~

Amber Precision Instrument(API)社 CEO Jin Min(Ph.D)
近傍界スキャンテクノロジは、EMC の特性評価と電子機器の EMC 障害をデバッグするための方法として広く受け入れられています。 エミッションとイミュニティの両方のスキャン技術を紹介します。
- エミッションスキャン技術: プローブの特性評価を含む近傍界EMI スキャンと、測定された電力から磁界への変換、位相測定、位相情報の利用、つまり近傍界から遠方界への変換と遠方界ソースの特定の新しい方法を紹介します。
- イミュニティスキャン技術: ESD テスト (IEC 61000-4-2) および RF イミュニティテスト(IEC 61000-4-3)の不具合のデバッグスキャン技術について説明します。注入された電流の視覚化も提示します。
休憩時間中に、 EMI スキャンと ESD/RFI スキャン装置のデモを行います。

3. 1GHz 超におけるEMC 評価の必要性とその解決に向けた活動の紹介
JEITA/半導体EMC-SC 実証実験WG リーダ
大野 剛史 [ルネサスエレクトロニクス株式会社]
JEITA/半導体EMC-SC 客員
五百旗頭 健吾 [岡山大学/学術研究院 環境生命自然科学学域 准教授]

半導体デバイスの1GHz を超える領域での使用が進んでいます。
一方、既存のIEC 規格で規定されている半導体EMC 試験法は上限周波数が1GHz までとなっています。そんな中、顧客対応の中で1GHz 超における試験を実施する、あるいは要求する場面も生じています。IEC では半導体EMC 試験法の1GHz 以上への拡張が議論されているとともに、それに付随する課題も指摘されています。JEITA 半導体EMC サブコミッティでは、1GHz 超への拡張に向けた課題を整理し、それを解決するための知見共有を目的とした活動を進めています。本講演では、1GHz 超におけるEMC 評価の必要性とその課題を整理し、課題解決に向けた知見の活動状況をご紹介します。