システムフロントローディングワーキンググループ


自動車、社会インフラ、データセンターなどは、一層の高機能、高信頼性が求められ、スマートフォンなどに代表される民生機器では低コスト化も重要です。そのような機器に搭載される電気ユニットの開発では、LSI、Package、Boardの協調設計による低コスト・高性能の全体最適化が有効です。一般に設計は、進めば進むほど、後戻りが難しくなり、取りうる選択肢が限定されてきます。そのため、設計が進んでから協調設計を行い、最適化して得られた形態は、あくまでもその時点でのベストなものに過ぎません。高速信号伝送、EMC(低エミッション/高イミュニティ)、放熱など技術課題の解決に見通しを立て、LSI、Package、Boardの全体最適化を設計自由度が高い、より設計上流で行う(フロントローディング)ことで、より良い設計解に到達できる可能性があります。

システムフロントローディングWGでは、フロントローディングを実現する設計フローとフロントローディング化して検討が必要になる技術課題について研究を行っています。今年度は、以下の4つのTGで活動を行っています。

  1. フロントローディングTG
    LPB formatによって、設計上流においてもLSI、Package、Boardの仮想的なプロトタイピングとその特性検証を容易にしてきました。しかしながら、技術課題の解決自体が難しくなり、解決するべき新たな技術課題が現れる中で、さらなる効率化が必要になってきています。本TGでは、さらなる効率化を実現するフロントローディング設計フローについて議論しています。
  2. EMC設計実証TG
    LSI、Package、Boardの電気設計だけでなく筐体も含めたメカ設計とも協調する必要があるEMCは、フロントローディングが難しい技術課題です。本TGでは、EMC設計のフロントローディング化のフィジビリティ検証を行っています。本年は、ESDなど伝導性イミュニティと半導体からの電磁界の直接放射(放射性エミッション)の2つの現象に関して、特性検証を実現するカギとなる半導体のシミュレーションモデルについて実証実験を行っています。
  3. 電源設計実証TG
    LSIの供給電源の低電圧化、高速化により、給電回路から低ノイズの電圧を供給すること自体が難しくなっています。LSIの安定動作やEMC性能を設計上流で担保するためには、LSIの電源/GND端子数やLSI近傍に配置するバイパスコンデンサだけでなくDCDC電源も含めて検討を行う必要があります。本TGでは、電源設計の技術課題や設計環境の課題抽出を行っています。とくに、設計環境としてDCDC電源回路の標準的なシミュレーションモデル化も視野に入れて議論を行っています。
  4. MBSE研究会
    電子機器設計の開発にイノベーションをもたらすことを目的として、MBSE(Model Base System Engineering)の思想・手段・活用法を研究します。研究会参加メンバーの興味を引くモチーフとしてEMCフロントローディングを題材に、具体的ツールを使い、Requirement、 アクティビティ図、アーキテクチャなどを学習していきます。学習に使用したモチーフは、教本化し、セミナー、ワークショップ等の啓蒙活動を行っています。EMCや電源回路のフロントローディング設計フローが確立した際には、MBSEで見える化していくことを考えています。

    <活動内容>
    2021年9月17日 LPBフロントローディングワークショップ2021(Web)での発表資料