(この記事は、2017年2月27日にメルマガで配信されました。当初は次の執筆者を指名して引き継いでコラムを続けておりました。)
栄えある第1回目は(株)東芝ストレージ&デバイスソリューション社の冨島敦史さんです。では、冨島さんよろしくお願いします。
僭越ながらご指名を頂き、栄えある第1回目を執筆させていただきました、(株)東芝ストレージ
&デバイスソリューション社の冨島です。拙文にお付き合いください。
私自身は、2010年のLPB相互設計ワーキンググループが正式に発足してから参加させて頂いています。当時は自分でもSI/PI解析などを実施していましたので、苦労していた部分が解消されることにも期待していました。
さて、LPBフォーマット開発時を今思い返すと、やはり一番大変だったと思うのは、フォーマットの英語化でした。 当然国際標準化が先のゴールとしてあったわけで、最初から分かってはいたことなのですが。。 また、普及の為には、ユーザだけではなく、EDAにメリットを感じて頂いて、採用検討を頂くことが必要と考え、EDAベンダの方々を対象にLPBフォーマットを紹介するセミナも企画していましたので、当然フォーマット自身や解説資料も日英両語で準備が必要だったわけです。
とにかくやるしかない。メンバーで集まってフォーマットを1行ずつ英訳するという作業でしたが、連日遅い時間まで缶詰になってやっていたこともあり、意識がもうろうとしながらも続けていた記憶があります。
更に、オリジナルの日本語では伝わるものの(行間を自動的に補完してしまうこともありますし)、英訳すると何を言っているのか分からなくなってしまう文章も多く、かなり大胆に訳文を変えたりもしました。
日本語でも英語でも、読み手に分かり易く正確に情報を伝えることのできる文章を書くことの大切さを思い知らされました。
そんな中でも、多くの方々と力を合わせて完成させたときには、達成感というよりは安堵感の方が大きかったような気がします。もちろん正式な規格は、メンバーでのブラッシュアップとIECのテクニカルライターの推敲が入っていますので、より分かり易く、正確な表現になっていますから、ご安心ください。
現在は、JEITAの半導体EMCサブコミティでの活動もしていますので、今後もLPBフォーマットを活用したEMC設計効率化をテーマに、微力ながら活動をしていきたいと考えています。
是非ご興味がある方は、ご連絡をお願いいたします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回は、準備委員会から参加され、LPBフォーマットの骨子を作られた ルネサスの永野さんです。
宜しくお願いします。