(この記事は、2018年8月1日にメルマガで配信されました。)
第12回目は富士通アドバンストテクノロジ株式会社の大塚さんです。では、大塚さんよろしくお願いします。
こんにちは、富士通アドバンストテクノロジの大塚です。
LPBには2012年度から正式参加させていただいています。それ以前は半年ほどオブザーバ参加させていただいていました。
チップ積層実装やシリコンインターポーザが話題だった頃の話です。当時は富士通グループも半導体ベンダーでしたが、今はEDAベンダーやシステム設計の立場で参加しています。
富士通アドバンストテクノロジは、電気系及び構造系のCADツール、PCB設計のコンサルサービスを提供しているエンジニアリング会社です。
私は、元はLSIやPCBの配線エンジンを開発していて、現在はPCBの設計(回路・実装)を扱うCADシステム開発部隊に所属しています。
LPBの活動グループの中では、私は主にフォーマットを策定するグループに参加しています。
個人的な見解ですが、通常の業務では、既に存在するデファクトスタンダードな仕様に従うか、
自分たちで仕様を決めてプログラムを書くことに専念しがちで、標準を作ることはあまり意識しません。ですから参加当初は国際標準化どころか国内の標準さえも何処で作られているのか全くイメージできないという感覚でした。
IEEE標準を狙います、という方針が示されたときは、テクニカルライターを雇うと40万/月と聞いて、「無理でしょ。。。」と思いました。
しかしいつの間にか自分たちでやっちゃえという流れになって本当にやってしまった。リーダーの方々の導きとメンバーの真摯な対応の賜物だったと思います。
今年度はIEEE2401-2020に向けてドラフト作成が始まっています。5月にそのキックオフをしたかと思ったら、「DACの時にIEEEメンバーにドラフト案を説明する機会を持てそうだから1か月前倒しで準備できる?」というリーダーの一声にみなさん嬉しそうに^^反応して速攻で対応した結果、またまたドラフト第1版案ができてしまいました。ちょっとM体質なのか、業界のために頑張る気概がそうさせるのか。
LPBに参加して、良かったと思うことはいろいろありますが、業界のために真摯に頑張る方々の姿を目の当たりにすることができたことをまず挙げたいです。志というやつでしょうか。見習わねばと思うことが多いです。
2つめは自然と仕事の幅が広がっていくこと。レイアウトのツール開発が主務だったりすると、
それ以外のツールを操作する機会は多くありませんでしたが、LPBに参加しているとシミュレーションツールを使って実証をする必要性が生じて、実はあまり使い込んでいなかった電気シミュレーションのやり方を勉強する機会を得た感がありました。LPBフォーマットはカバーする範囲が広いので、話題についていくために情報収集の間口が広がったかな、とも感じています。
更に、みなさんおっしゃいますが、会議後に親睦を深める機会が多いので、メンバーの打ち解けた関係性を築けている事が財産だと思っています。スーパーユーザーやEDAベンダのエンジニア間で仕様の検討ができる、解釈で疑問が生じたらすぐに本来の意図を確認できるという風通しの良さは仕様の適切さを保つのに欠かせない事だと思っています。
普及に向けて、村田製作所様のLPBフォーマット版部品ライブラリが着々と準備されていたり、環境は徐々に充実してきていますが、今年はIEEE2401-2020のドラフト策定が計画通り(前のめり気味に?)進むよう、微力ながら貢献できればと思っています。
拙文にお付き合いいただきありがとうございました。