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私とLPB 第18回

(この記事は、2019年4月3日にメルマガで配信されました。)
第18回目は東芝デバイス&ストレージ(株)の福場さんです。では、福場さんよろしくお願いします。

出会いは必然
平成がまもなく令和になります。JEITAのLPB活動が平成21年7月に発足したので今年
平成31年で10年が経ちます。元号が変わるのと10年という節目が重なるのは感慨深く
感じます。もちろん元号とLPBは関係はありませんが、これを節目にLPBは変わってい
く予感がします。思い返せばLPBの活動はこれまで多くの「出会い」があり、それが
活動の転機を導いてきました。「出会い」は偶然だったわけではなく、それまでの布
石があり、新たな行動を起こしたときに新たな「出会いが」があったように思いま
す。

出会い≪その1≫:JEITA活動を始める前
2006年ころからいくつか私的な研究会を立ち上げました。代表的なものにCPM(Chip
Power Model)コミュニティーというのがあり半導体とボードの協調設計を議論し始
めました。EDA、ボード、半導体いろいろな人が興味を持ってくれて思想が固まって
いきました。この話がJEITAのEDA技術専門委員会(当時)のメンバーの耳にはいり、
EDSフェアでのパネル討議のテーマに取り上げられ、JEITAにLPBワークグループを作
るきっかけになりました。

出会い≪その2≫:JEITAでの活動、LPBの誕生
JEITAでLPBワーキンググループを始めた際に意識の高い優秀なメンバーが集まってく
れました。いろいろなところでLPBの必要性(出会い1の成果)を発表していました
が、それを聞いてくれてた人たちが参加してくれました。いろいろな企業の方が立場
を超えて非常に有益な議論をし、必要なことは足を運んで調査し、オープンな討議の
場を作って広く業界の意見を吸い上げてくれました。これにより発足1年半の超短期
間でLPB標準フォーマットを作り上げるという大変大きな成果を成し遂げました。

出会い≪その3≫:LPBを世界のあたりまえにする
日本の中だけで盛り上がっていても発展・普及はしていきません。設計素材や設計環
境を手に入れるには日本ローカルな動きでは世界は見向きもしてくれません。LPB標
準フォーマット(出会い2の成果)に対しての世界での反応を見たくてアメリカの
DAC(Design Automation Conference)2013に出展しました。海外での展示というのは
ボランタリー活動で行うには大変な苦労がありました。しかし、そこでIEEE標準化
団体の目に留まり、とんとん拍子に国際標準化の話がまとまり、わずか2年でIEEE
2401-2015を発行することが出来てIEC 63055:2016の国際標準となりました。LPBが国
際標準になるとEDAやユーザー、部品メーカーへの普及が一気に加速しました。

次の出会いを仕掛ける:
令和元年はものつくり(開発手法)の大変革が起こりそうな予感がします。昨年あた
りからMBD(モデルベースデベロップメント)が盛り上がりを見せ、これからの製品
開発は仮想上の試作品をベースにすり合わせ・性能評価・認証が行われる時代が到来
しようとしています。世界標準のLPB(出会い3の成果)を使ってこの革命に貢献し
なければなりません。

出会いによってコトが始まり、コトに対してまた人が集まり、人の集まりの中から仕
組みが生まれる、この連鎖を作るのが私たちの仕事だと思います。「出会い」は必
然。これからも皆さんで外に出てアクションを起こしましょう。また必ず新たな出会
いがあることでしょう。

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