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私とLPB 第21回

(この記事は、2019年8月21日にメルマガで配信されました。)
第21回目はルネサスエレクトロニクス(株)の坂田さんです。では、坂田さんよろしくお願いします。

私とLPB

こんにちは、ルネサスエレクトロニクスの坂田です。
はじめに、私のバックグラウンドについてお話しさせてください。
私は20年ほど前に日立製作所に入社しました。当時、ちょうど同時駆動ノイズが問題となり始めていて、それをシミュレーションで予測する技術開発を担当しました。そのときに、電源グランド間の容量が重要であることがわかり、その内容は2003年の第16回回路とシステム(軽井沢)ワークショップで報告させていただきました。それから現在まで、会社名や部署名は変わりましたが、一貫してチップ、パッケージ、ボードレベルの電気的特性(SI/PI/EMC)解析を専門として、時にトラブル対応等を行っています。

私が本格的にJEITAに参加するようになったのは、2016年に同じ部署の先輩の金本教授がルネサスから弘前大学へ移られたときになります。金本教授のお誘いにより、後任としてモデリングWGに参加することとなりました。モデリングWGはその名の通り、モデルそのものの検討を行うことを目的としていました。モデリングWGでは、入社当時に出会った「電源グランド間容量」に着目し、各社でチップ容量を測定してその違いを比較し、測定方法による違いや、測定結果からシミュレーション用モデルを構築する方法について検討を行っていました。メンバーで検討することで多くの気付きがあり、これもJEITA活動に参加させていただいたおかげだと感謝しております。2018年にはモデリングWGのリーダーをソニーの長谷川さんから引き継ぎ、とてもよい経験をさせていただきました。

最後に、LPBフォーマット対する期待と抱負をお話しして終わりたいと思います。
最近は、私自身が通常業務としてシミュレーションを行うことは少なくなりましたが、課題かなと思うことが2つあります。
(1)さまざまなCADで作成されたデータを電磁界解析ツールに持ってくること
(2)電磁界解析モデルとチップモデルを組み合わせて解析用ネットリストに組み上げ、評価するのに工数がかかること
特に(1)について、かなり苦労することがあるので、LPBのGフォーマットに期待しています。多くのCADがGフォーマット出力に対応してくれればいいなと考えています。そのためには私も微力ながら普及に力を入れなくてはと思っています。(2)については様々なEDAツールがリリースされているので楽をすることもできるのですが、特定ベンダーに依存せず所望の精度で解析したいとなるとspiceネットリストを生成したくなります。やればいいだけなのですが、工数がかかることと、時に接続ミス等があります。DDRをはじめとした高速インタフェース解析では、やることが決まっていることが多いので、ネットリスト生成および評価を自動化することが可能だと思います。ここにLPBフォーマットを活用できないかと考えています。今後、LPBフォーマットを社内の内製ツールのフォーマットに採用する等、積極的に活用していきたいと考えています。

散文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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