今回も引き続き「DVConステアリングTG」からお届けします。
DVCon Japanの詳細はこちら、お申し込みはこちらです。
来る6月22日(木)、川崎市産業振興会館にてDVCon Japan 2023が開催されます。DVConはDesign & Verification Conferenceの略称で、Accellera Systems Initiativeがメインスポンサーとなり、日本国内では情報処理学会-SIGSLDM(SIG-System & LSI Design Methodology)、IEEE CEDA All Japan Joint Chapter、そして一般社団法人電子情報技術産業協会による協賛のもとで開催されます。
DVCon Japan 2023のロゴ
今年のDVConは午前中の基調講演やAccellera Overviewのセッションに続いて、8セッションのチュートリアル、12セッションの論文発表が3トラック並行して行われ、さらに午後からは展示会も開催されます。また夕方からはネットワーキングを目的とした懇親会/展示会も用意されています。
基調講演は「言語生成AIの原理と展望」
今年の基調講演は、東京大学、大学院情報理工学系研究科 教授、鶴岡慶雅先生にご登壇いただくことになりました。タイトルは「言語生成AIの原理と展望」です。そして基調講演のアブストラクトはこちらになります。
ChatGPTをはじめとする言語生成AIが社会や産業に大きな影響を与えつつある。言語生成AIは大規模言語モデルとも呼ばれ、大量のテキストを用いて言語モデルとして事前学習され、人間との対話ができるようにファインチューニングされている。本講演では、大規模言語モデルの原理や周辺技術を解説したうえで、大規模なプログラムの生成やデバッグの可能性などを含め、今後の言語生成AIの発展に関する展望を述べる。
鶴岡慶雅先生
鶴岡先生は1997年、東京大学 工学部電気工学科をご卒業になり、2002年には同じく東京大学の大学院工学系研究科 電子工学専攻博士課程を修了されました。工学博士でいらっしゃいます。その後、科学技術振興事業団研究員、マンチェスター大学Research Associate、北陸先端科学技術大学院にて大学准教授、東京大学 大学院工学研究科にて准教授を経て、2018年より東京大学の大学院 情報理工学系研究科で教授をされています。主に自然言語処理、ゲームAI、強化学習等の研究に従事されていらっしゃいます。
基調講演の内容については当日のご講演を楽しみにしていただくとして、皆さんはChatGPTやGoogle BARDなどを使っていますか?半導体の上流設計や機能検証で、どのような場面で使えるのでしょうか。自然言語が扱えるなら要件仕様書から、何かしらのアサーションコードやテストコードが生成できるのか、テストコードとカバレッジの関係から、より少ないテストでより高いカバレッジを達成するようなリグレッションスイートが構築できるのか、デバッグについてはどうなのか、興味深いところです。
ご参考までに、今回予定されている論文発表の1つは、機能安全に欠かせない故障シミュレーションにAIとMLアルゴリズムを使い、シミュレーションライフサイクルを短縮したというもので、インドのムンバイにあるSilicon Interfaces社でVLSI設計を担当されているエンジニアの方々に発表していただきます。
皆さんも、大規模言語による生成系AIがどんなところで使えるのか、色々と想像しながら、この基調講演や論文発表を聴講されると良いと思います。ぜひ鶴岡先生にも質問をぶつけてみてください。
DVCon Japan 2023開催概要
DVCon Japan 2023は以下の要項で開催されます。
日時 : 2023年6月22日(木)9:15~19:00(懇親会は17:00-19:00)
会場: 川崎市産業振興会館
〒212-0013 神奈川県川崎市幸区堀川町66番地20
参加費用: 3,300円(税込み)
参加申込み: https://www.dvcon-jpn.org/registration/
詳細URL: https://www.dvcon-jpn.org/
川崎市産業振興会館 – 外観
半導体の上流設計と機能検証に関する最新情報やベストプラクティスを学びつつ、ぜひ懇親会で乾杯しましょう。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
(EE Tech Focus合同会社 / 三橋明城男)