モデルベースデザイン/システム設計・ワーキンググループ


自動車、社会インフラ、データセンターなどは、一層の高機能、高信頼性が求められ、スマートフォンに代表される端末機器の類は低コスト化が求められています。このような製品開発を実現するために、電気設計では、高速信号伝送、EMC(低エミッション/高イミュニティ)、放熱などの技術課題を解決し、全体最適の視点でコストを最小化するLSI、Package、Boardの各仕様に設計のできるだけ早い段階で見通しを立てることが重要です。これをキーワードにすると「協調設計」、「フロントローディング」と表現されますが、これこそがLPBフォーマットの狙いに他なりません。

モデルベース/システム設計WGでは、このLPBフォーマットの発展の方向性を探るため『協調設計のフロントローディング化』 と 『システム設計との協調』の研究を行っています。2020年度は以下の4つのTGで活動しています。

  • フロントローディングTG
    設計上流で技術課題に目途を得るために、従来は簡単に素早くプロトタイピングを行い、シミュレーションで検証するやり方がとられてきました。しかしながらプロトタイピングの中で多岐にわたる条件振りが行われ、各々シミュレーションを実行し結果を比較していると依然として多くの時間が必要でした。本TGではフロントローディングのさらなる効率化を目指して、MBD (Model Base Design)手法について検討を行っています。従来の「形」から「特性」を議論するフロントローディングやり方から、「特性」から「形」を決めていくやり方に変えることで得られる効果と、その際の協調設計フローを示したいと考えています。2020年は、伝導性イミュニティを技術課題のモチーフにセットメーカ、半導体メーカ、CAD・CAEベンダと多岐にわたるメンバーで議論を行っています。
  • IEC 62433/バウンダリモデルTG
    現在も依然として、設計の上流で見通しを立てることが難しい技術課題としてEMCがあります。その原因の一つにEMC解析用の半導体モデルが一般化されていないことが挙げられます。EMC解析用の半導体モデルがないとLSI、Package、Board、さらには筐体も含めて通しで特性を評価することができず全体最適化ができないためです。本TGでは、EMC解析用の半導体モデルを情報伝達の媒介にしたEMC問題を解決する協調設計の実証を目指しています。まずは、半導体EMCモデリングの国際規格IEC 62433に準拠したやり方で、SerdesICのイミュニティモデルを作成できるのか実証実験を行い技術的な側面からひも解いて、設計フローの確立に向かっていこうと活動しています。
  • IBIS 活用 TG
    低電圧化、高速化により、LSIへの電源供給において、電位の安定化はますます重要になっています。後付けで、電源回路を付け加えるような設計では、必要な安定した電源電位が得られなかったり、想定以上にコストがかかるなど、問題が発生してしまいます。そこでシミュレーションを活用して設計上流から見通しを立てるアプローチが重要になりますが、現在のDCDC電源回路のシミュレーションモデルの状況は、入手性やメーカー間で精度にバラつきがあるなどの課題があり、標準的なモデルへの要望は少なくありません。本年度の本TGでは、IBISのフォーマットだけでなく、ビヘイビア記述を用いてDCDC回路のモデル化に取り組みます。将来的には、標準化を狙っていきたいと考えています。
  • MBSE研究会TG
    電子機器設計の開発にイノベーションをもたらすことを目的として、MBSE(Model Base System Engineering)の思想・手段・活用法を研究します。研究会参加メンバーの興味を引くモチーフとしてEMCフロントローディングを題材に、具体的ツールを使い、Requirement、 アクティビティ図、 アーキテクチャなどを学習していきます。学習に使用したモチーフは、教本化し、セミナー、ワークショップ等の啓もう活動を行っていく計画です。

    <活動内容>
    2020年9月11日 第12回LPBフォーラムでの発表資料