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第87号 LPBニュース 2022年6月22日配信
半導体&システム設計技術委員会編集
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★★★★★ 今回のトピックス ★★★★★
■イベント情報
【1】【DVCon Japan 2022 開催!】
【2】【DISCOVERY 2021 日本語ウェビナー・シリーズを開催!】
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■イベント情報
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【1】【DVCon Japan 2022 開催!】
Design & Verification Conference & Exhibitionは、電子システムおよび集積回路の
設計と検証のための言語、ツール、メソドロジ、標準の適用に関する最高峰のカンファ
レンスです。このカンファレンスは非常に技術的なコンテンツで構成され、設計と検証の
技術の実用的な側面や、最先端プロジェクトにおける活用に焦点を当てています。参加者
が同様の技術を参考にしたり採用したりすることで、自身の設計や検証のフローの改善が
促進され、ひいては業界全体の技術水準が高まることを目指しています。
https://www.dvcon-jpn.org/
ごあいさつ
皆さんの中にはVHDLやVerilog HDLで設計をされている方も多いことと思います。
どちらもIEEE標準の言語で、その言語仕様を学習することは大事ですが、それだけでは
設計や設計資産化、論理合成、シミュレーションや機能検証を効果的に進めることは
できません。さまざまな記述によって異なるメリットやデメリットについて、その後の
工程も含めた実践的な評価と体得が不可欠です。それを業界として効率良く学ぶことを
目的として作られたコミュニティが1988年からのVHDL User's Groupであり、1992年から
のInternational Verilog Conferenceです。この2つのコミュニティは1999年にHDL
Conferenceとして統合し、2003年にはDVCon - Design and Verification Conferenceと
なりました。HDL設計だけでなく、極めて重要な課題である機能検証の側面を大きく取り
上げたカンファレンスです。現在のDVConではIEEE標準であるSystemVerilogやUVM、UPF、
フォーマル検証のメソドロジ、Portable Stimulus Standard、SystemC、IP-XACT、
機能安全、セキュリティなど、議論する分野も多岐にわたります。
このような背景を持つDVConはアメリカ合衆国はもとより、ヨーロッパ、インド、
中国で開催される国際的なカンファレンスとしての位置を確立しています。そして
2022年には長く待たれていたDVCon Japanを開催する運びとなりました。まずはオン
ラインでのバーチャル・カンファレンスとしてスタートいたします。多くの技術者や
管理者の方々に、論文やチュートリアルにより、さらにスポンサーシップをとおして
積極的にご参加いただきますよう、お願い申し上げます。
DVCon Japan 2022実行委員会 委員長 田中玄一
【2】【DISCOVERY 2022 日本語ウェビナー・シリーズを開催!】
シーメンスEDAはプリント基板設計にかかわるお客様の課題解決を支援すべく、
「DISCOVERY 2022」日本語ウェビナー・シリーズを開催いたします。
https://www.mentorg.co.jp/events/discovery_2022/
Part 6: [2022/7/20] FPGAの多ピン化と複数のFPGA利用を背景としたI/Oの最適化アプローチ
の必然性
Part 7: [2022/8/3] マルチボード構成製品や筐体内スペースがシビアな製品におけるPCB
レイアウトのチーム設計のススメ
Part 8: [2022/10/19] スイッチング電源/PDNの問題を基板の製造前に予測する包括的な
検証手法
Part1〜Part5 オンデマンドで視聴可
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LSI・パッケージ・ボード(LPB)相互設計規格である国際標準IEC 63055/
IEEE 2401-2019は下記URLからご購入できます。
https://standards.ieee.org/standard/2401-2019.html
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それではMBSEの概要を説明します。エムビーはモデルベースの略です。モデルベースとは仕様や仮定、コンテンツなどをモデルという抽象的な数式やパラメータ、図式などで表現することです。これによりだれでも共通的な認識を得ながら一意的な結果をみちびきだすことです。モデルベースにはMBDとMBSEというものがあります。どちらもモデルベースでの開発方法のアプローチですが、少し違います。これからそれを説明します。
さらに説明を加えますと、MBDとMBSEは言葉が似ておりますが違うものであることを説明します。ただし、これらは関係しあうものでもありますのでそれを模式図で表します。左側がモデルベースドデベロップメントMBDで右側がモデルベースドシステムズエンジニアリングMBSEです。MBDは物理的な設計ですからモデルは物理モデルになります。先ほど紹介したLPBフォーマットはこのモデルを繋ぎ変えるプラットフォームになります。一方MBSEはシステムの要求を分析し基本的な機能ビヘイビアをつくり、それから導入法のアーキテクチャをつくって、それが妥当か検証するというストーリー作りのエンジニアリングです。これから仕様であったり、開発指針であったり、体制であったりを定義していく過程です。MBDもMBSEも概略段階から詳細段階に検討を繰り返しながら完成させるものです。
それではMBSEの事例を紹介します。これはフロントロ-ディング型のMBSEの進め方の例でJEITAのMBSE研究会で行っている事例研究の紹介です。
MBSEの手法を使ってビヘイビアごとに大まかな実務的な機能を割り出します。時系列やリソースを意識してそれをつないでいくと工程表が出来上がります。
ここで工程をグルーピングして、MBDを実施する際のモデリングや設計検証作業をするグループの 工程の切り分けを行います。一般のMBSEには無い手法ですが、BAT Mapping という手法を考案し適用しています。さきほどパーティショニングした一つ一つを 「ビヘイビア TO アーキテクチャチーム、略してBAT」という仮想ワークグループをつくります。論理アーキテクチャに従って仮想組織と開発の流れを整理します。
最後に定義されたMBDの一つをさらにMBSE手法で作業内容と情報交換を詳細化した例を紹介します。先ほど定義したMBD Task 1の部分を詳細化したものです。まず、BAT内の作業をBATに課せられたミッションが達成できるように単一の作業のレベルまで詳細な工程までブレイクダウンします。BAT間でやり取りされる情報を明確化します。ここでLPBフォーマットが登場します。伝達される情報をLPBフォーマットで記述することにより、ミスや洩れのない情報が電子データで伝達可能となり、フローの自動化につながります。