(この記事は、2019年2月6日にメルマガで配信されました。)
第17回目は東芝デバイス&ストレージ(株)の青木さんです。では、青木さんよろしくお願いします。
今回のコラムを担当させて頂きます東芝デバイス&ストレージ(株)の青木です。
LPBの活動の内容に関しては、既に何人かの方々が紹介されていますので、今回は
青木個人とLPBの関わりについて書いてみたいと思います。
私は2009年の準備ワーキングから参加していますが、初めは前任者からの交代要員(※1)でした。
事前情報の無い(※2)まま連れて行かれた会議室には、今まで経験の無い雰囲気が広がっていました。
(※1:こんなに長く参加するとは思ってもいなかった。正直、2~3回顔を出せば終わりと思ってた)
(※2:説明されたのかもしれないが、当時は、それを理解できるバックグラウンドもなかった)
私は元々、半導体のレイアウトCADのプログラマーです。LPBに参加した時期は、丁度、半導体から
パッケージやPCBに仕事を移していた時期でした(※3)。ラジオ・アマチュア無線と言ったベタな
ラジオ少年の成れの果てにとって仕事自体に違和感は無かった(※4)ものの、知識も経験も無く
四苦八苦していた時期でもありました。
(※3:要するに半導体系の仕事がなくなった…ということです)
(※4:今に思えば恐ろしい限りなのですが、直接目に見えるので半導体より簡単だよなぁ、と
考えていました。すぐに打ち砕かれましたが…)
LPBには、その分野のエキスパートの方々が集まっており、新参者の私にとって非常に勉強に
なりました。しかし半導体のレイアウトのCADという分野で働いていた身にとって、ワーキング
での話はカルチャーショックの連続でした。
レイアウトのCAD屋にとってテープアウトまでの設計期間の短縮が全てです。しかしLPBに参加して、
それまで私が関わっていた世界は非常に狭いものであったと思い知らされました。
営業から始まり、引き合い、企画、設計と進み、量産に至ってようやく利益が出る。
その期間全体を効率化し、如何に素早く利益を出すかが問題の本質。
恥ずかしながらLPBに参加するまで、そのような感覚が希薄でした(※5)。そのような中、このまま
参加してやっていけるか不安に思ったものです(※6)。
(※5:バックエンド設計に一年かかる、となれば、それはそれは、大騒ぎ。大プロジェクト扱い
です。しかし実際には、営業活動から数えると利益が出るまで何年もかかったという製品は沢山あり
ますよね)
(※6:しかし、勉強になるので厚かましくも何食わ顔で参加してました)
準備ワーキングから本ワーキングになり議論も徐々に深まっていったのですが、この分野の新参者の
私にとって、どうすればワーキングに貢献できるか悩みどころでした。幸いなことにプログラマーに
とってマニュアルや仕様書を書くという作業は日常的にやっていること(※7)なので、LPBフォーマット
の仕様作成に辛うじて参加でき(※8)、ホッとしました。
(※7:得意という意味ではない。むしろ、できればやりたくない部類の業務。プログラマーま皆、
そう思っていると、思うのですが、私だけですかねぇ…)
(※8:しかし、他の方のコラムにも書いていますが、これで地獄をみるハメになろうとは…)
今、2020年にIEEEに認定されることを目標にLPBフォーマットのversion3の改定作業を進めています。
2010年の本ワーキング発足から数えると10年目です。私もずいぶん長い間、関わってきました。
非常に有意義なワーキングに参加させて頂けていると思っていますが、後悔していることが一つ
あります。それは、もっと若い時期に参加したかったということです。
LPBには若く、優秀な方々が多く参加しています。皆、非常に勉強されており、いつも教えてもらうこと
ばかりです。そのような方々を見るたびに羨ましく、妬ましくさえ思ってしまいます。もっと早くから
LPBのようなワーキングに参加していれば、色々違った世界が見えていたかも…と残念に思ってしまいます。
このコラムをお読みの方々の多くは、LPBやJEITAの他のワーキングには参加されていないと思います。
しかし、ぜひ参加して、異なる業種、異なる文化の方々と、年齢や地位に囚われない自由・活発な
議論に参加して頂きたいと思います。
LPBでは毎年、9月には泊まり込みのワークショップ、3月には半日のフォーラムを開催しています。
LPB/JEITAへの正式参加が難しいということでしたら、ワークショップやフォーラムに参加して見
てください。それもチョット....という方は、17時から開催している非公式なフォーラムもありま
す。覗いてみたいという方は、メルマガやHPの「お問い合わせ先」からお気軽にお問い合わせくだ
さい。
最後までお付き合いただきありがとうございました。