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第6号 LPBニュース 2017年2月27日配信
JEITA 半導体設計技術小委員会編集
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★★★★★ 今回のトピックス ★★★★★
■第9回LPBフォーラムのお知らせ
■第8回LPBフォーラムのご意見紹介No2
■コラム第2回 私とLPB
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■第9回LPBフォーラムのお知らせ
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第9回LPBフォーラムのプログラムの詳細が決定しましたのでお知らせします。
本フォーラムではユーザ活用設計事例やLPBを活用するためのデザインキット等を御紹介します。
またLPBフォーラム終了後、懇親会を開催します。
皆様のご参加を御待ちしています。
【開催日時】 2017年3月10日(金)14:00~17:00 13:30より受付
【場 所】 一般社団法人 電子情報技術産業協会 409-411会議室
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル4階
【参加費】 無料
【懇親会費用】 2,000円 (当日、集金します)
【申し込み方法】 下記URLよりお申し込みください
申し込み用URL : http://www.lpb-forum.com/lpbforum9-registration/
【プログラム】
14:00-14:10 開催にあたって (株)東芝 福場
14:10-14:30 半導体設計技術小委員会の活動報告 (株)東芝 福場
(株)リコー 大槻
ルネサス(株) 田中
14:30-14:50 パワーデバイスのモデル標準化 (株)モーデック 西嶋
14:50-15:05 LPBフォーマットの概要とEDA採用状況 ソニーLSIデザイン(株) 濱田
15:05-15:20 LPBフォーマットのリリース計画 ルネサスシステムデザイン(株) 永野
15:20-15:35 ーー休憩ーー
15:35-15:55 IBIS-LPBデザインキット (株)東芝 岡野、青木
メンターグラフィックスジャパン 門田
15:55-16:15 LPBフォーマットとIBIS5.0 (株)リコー 村田
を活用したPI解析 (株)富士通アドバンストテクノロジズ 大塚
16:15-16:35 [ユーザ事例1]
ANSYS&図研環境におけるLPBフォーマット
を使用したシミュレーションモデル化検証 セイコーエプソン(株) 眞篠
16:35-16:50 [ユーザ事例2]
LPBフォーマットを活用した構想設計実例 (株)東芝 岡野
16:50-17:00 まとめ、連絡事項
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■第8回LPBフォーラムのご意見紹介No2
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第4号に引き続き、第8回LPBフォーラムのアンケートより参加メンバーから頂いたご意見の紹介です。
また、それらに対する半導体設計技術小委員会/LPBからの回答についても紹介します。
Q.次回何を取り上げて欲しいですか?
・部品メーカーさんからの事例が欲しい
→部品メーカー様にも協力いただき、事例を紹介できるよう現在検討しています。
活用事例は随時Webで公開致します。http://jeita-sdtc.com/publishedmaterials/
・フォーラムとは別にイベントかもしれないが、LPBフォーマットの詳しい解説や、トレーニング
のようなイベントもあると良い。
→LPBフォーマットをもっと知って頂くようなツールを検討中です。
Q.JEITA半導体設計技術小委員会/LPBに期待する事、本フォーラムで興味を持った内容、
もっと詳しく知りたい内容についてご自由にお書きください
・パッケージ設計は、各種材料・プロセスのパラメータを選択することにより、電気的、熱的、
応力的設計を最適化し、デバイスの特性を最も有効にするものと思っているため、応力(PKGそり、
Die-Package内部応力等)や熱に関する事例発表も混ぜるか、テーマ毎に回を設けるか等検討して
頂ければ幸いです。
→LPBフォーマットへは熱や3Dを考慮したエンハンスを検討していますので、その状況に合わせて
事例についても発表できるように検討していきます。
・今後のロードマップ等、日程感がもう少し分かるようになると助かります。
(例えばVer3.0のリリース時期やその次など)
→どのようなタイミングでバージョンアップするかについては現在検討中です。
マイルストーンが決まりましたら改めてアナウンスさせていただきます。
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■コラム第2回 私とLPB
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IEEE/IECのDualロゴ化を達成した今、LPBフォーマット開発関係者からの苦労話を掲載する
ことにしました。第2回目はルネサスシステムデザイン(株)の永野民雄さんです。
では、永野さんよろしくお願いします。
(株)東芝ストレージ&デバイスソリューション社の冨島さんからご紹介に与りました、ルネサス
システムデザイン(株)の永野です。
私はLPBフォーマットとは、縁あってJEITAで活動が始まった最初の2009年の準備ワーキンググルー
プから参加させていただいています。当時、パッケージやボードの基板CADや電磁界解析ツールは、
EDAベンダがそれぞれ独自のフォーマットを採用しており、国際標準はもちろん、業界標準すらない
状況でした。そのため、どのCADとどの解析ツールが繋がるかもEDAベンダ任せとなり、SI/PI/EMC解
析のようなシステム全体の検証では、本質的でないデータの変換や解析ツールの設定など人手による
大きな手間と、ミスの混入が排除しきれませんでした。
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この不満に対する「ユーザ主導でインターフェースを標準化できたら楽になるかも」がLPBフォー
マット開発に参加する原動力でした。しかし、LPBフォーマットの開発と言っても、準備ワーキング
グループではLPBフォーマットの必要性が確認されたものの、2010年に発足した正式なワーキンググ
ループのスタート時には、具体的なことは何も決まっていませんでした。
手探りで始まった開発ですが、特に最初の一年はやらなければならないことが多く、めちゃくちゃ
大変でした。ざっと思い出しても、現状の課題の抽出と必要な情報の精査、情報のカテゴリ分け、フ
ォーマットが対象とする範囲の定義、既存のデータフォーマットの調査、記述能力のスコア付け、候
補選定と独自フォーマット検討、独自フォーマットの言語の選定、実際の記述へのブレイクダウン、
等々です。本ワーキングでは埒が明かず、各社持ち回りでサブワーキングを開催し、夏の暑い時期に
汗だくになって議論したのが印象に強く残っています。今考えても、よく一年間でLPBフォーマット
Ver.1.0としてまとめリリースできたものだと、参加された方々の心意気に感心するばかりです。
それからLPBフォーマットは改良を重ね、Ver.2.2で国際標準となりました。Ver.1.0から考えると、
内容は格段に充実し洗練されていると思います。さらに、LPBフォーラムなどで皆様からいただいた
ご意見を基に、フォーマットの拡張 Ver.3.0の標準化に向けて動き出しています。ご興味のある方は
是非LPBフォーラムにご参加いただければと思います。
ちなみに、個人的にこの活動を通じた一番の成果は、打合せを行ったら必ず場所を変えて懇親の場
を持つという習慣を作り、それを継続していることだと思っています。実はこれが本音で話合う下地
を作り、LPBフォーマットの質につながっているのではないかと。決して言い訳ではありません。。。
乱文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回は、ソニーLSIデザインの濱田さんです。宜しくお願いします。